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極楽平から空木岳/残雪期山行の偵察→初夏の山だった
(中ア北部・2023年6月上・1泊2日(2703m峰ビバーク) |
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未だ果たせていない残雪期の目標の一つに宝剣岳~空木岳縦走があります。
ただ、極楽平以南の主稜線は、1996年秋以来で忘れてしまっているし、また、近年の私たちの体力を勘案すると、幕営装備・登攀装備を担いでこの縦走に本当に耐えられるかを把握しておくことも必要。そこで、来期以降の計画の参考とするため、残雪期に近いこの時期にルートの偵察(岩場・鎖場等・残雪の残り方・ビバーク適地)を行うことにしました。 |
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宝剣岳南稜から北稜
(中ア北部)/ちょいバリ(ロープを使う雪山一般道)/2023年5月上旬・日帰り
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GWは日帰り極楽山行ということで、宝剣岳へ行きました。この岩峰には無雪期に2回(北稜→南稜、うち1度は空木岳まで縦走)、冬も14年前の正月登ったことがありますが(北稜から往復)、南稜から登るのは今回が初めてでした。 |
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悟空スラブ・クランポントレーニング
(湯河原幕岩)マルチピッチクライミング入門/2023年4月上旬・日帰り
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悟空スラブ上部60m(35m5.7・25m5.7) |
湯河原幕岩の上部エリアにある「悟空スラブ」は、2段130mくらいのバルジ状のスラブで、下部70mはⅢ~Ⅲ+、相対的に傾斜のある上部60mは5.7くらいのクライミング初心者向けの岩場です。低グレードのためフリークライマーには相手にされませんが、登山靴やクランポンでの登攀練習の他、そこそこのスケールがあるので、入門者のマルチピッチクライミングの練習によく利用されます。 |
先日オベリスク基部まで登った際、長いことクランポンで岩場を登る練習をしていないことに思い当たりました。今春ちょっと岩場登りのある一般ルートを計画しており、少々不安を感じたので、フリークライミングはやめにして、急遽、悟空スラブ(湯河原幕岩)でクランポントレーニングをすることにしました。 |
最近は雪山といっても春の中級山岳まででアルミクランポンかチェーンスパイクばかり使用しています。基本的にバリエーションルート用にしているクランポンはここ5年間殆ど出番がなく、今回履いてみてその重さにタジタジ。そんな状態だから、Ⅲ程度のスラブでもなかなか感触が戻らず苦労しました。急な上のスラブはクランポンでリードする気になれず、クライミングシューズで登って、クランポンはトップロープで練習しました。前回行った時と比べると2倍近く時間がかかりましたが、クランポン登攀の他、ダブルロープや懸垂下降の練習が出来ました。 |
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鳳凰山(南ア北部)雪山初級/2023年3月中下旬(薬師岳冬期小屋2泊3日)
写真山行/ 夜叉神コース・地蔵岳まで往復
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山行予定日の直近が降雪の予報だったので(結果的に今シーズン最後の雪)、ドンドコ沢から登るのはやめて、冬期は圧倒的に入山者の多い夜叉神ルートから地蔵岳を目指すことにしました。 |
夜叉神ルートは冬期10回くらい登ったことがあるものの、直近でも20年以上前のこと。近年は温暖化のせいか、当時と比べ、雪の降り始めが遅く、春の訪れも1月程早い気がします(鳳凰山は3月から残雪期)。このルートも以前は成人の日を過ぎると殆ど人を見なかったのに、最近は2月でも週末は勿論、平日も入山者が絶えないようで驚かされます。 |
ただ、冬期は薬師岳までの日帰りピストンばかりで、今回行くまでその事を知らなかった私たちは、薬師より先にトレースがなく、想定外のラッセルに悩まされることになりました(鳳凰小屋分岐のコル前後が最大膝上のラッセル)。 |
そのため、2時過ぎに薬師岳小屋を出たのに、日の出の時刻には鳳凰小屋分岐までしか到達できず、地蔵からのモルゲンロートの写真はまたしても撮れずじまい(翌日、もう一度トライしようと思ったものの、ラッセル疲れで断念)。 |
なお、薬師岳小屋冬期小屋は5~6人がやっとの小さいものですが、明るいし、壁天井に装着された断熱材が奏功し、とても暖かく快適でした。それでいて利用料は寝具が置いてないせいか1000円/泊と良心的です(小屋内にノートと料金ポストがある)。 |
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那須三本槍岳(那須連峰)雪山初級/2023年2月下旬(幕営1泊2日)
写真山行/ 大丸温泉~朝日岳~三本槍岳~中ノ大倉尾根~北温泉
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三本槍岳(那須)へ行ってきました。 |
那須岳はこれまで6回行っており、今回と同じコースも3回歩いたことがあります(直近は2022年4月初旬)。今シーズン、太平洋側の山域は特に寡雪。那須も強風の日に当たらなければ入山しやすく、行程が短いので、この時期でも日帰り可能な状況でした。 |
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入山日(天皇誕生日)は昼前から晴れてきて穏やかな天気。そのせいか、大丸温泉側からは紅葉期と大差ないほどの人出、しかも、その多くが三本槍岳まで歩いているのには驚きました。因みに、私たちのように大丸温泉から北温泉まで歩く人は殆どなく、大丸温泉から三本槍までの往復か、これより少数ですが、マウントジーンズスキー場や北温泉から三本槍を往復する人ばかりでした。 |
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朝日岳分岐より先は適度にクラストしており(踏み抜きの心配なし)、快適な稜線歩きでした(クランポン着用)。 |
今回は朝夕の写真を撮りたくて北湯分岐で幕営しました。夕方までは穏やかだった天気も日没ころから強風となり、安易に森林限界を超えた場所を選んだことを後悔(幸い風は4時間ほどで収まった)。 |
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翌朝はどんよりした天気で風はなく、10時過ぎからのんびり下山。せっかく持参したのでワカンを履いたものの、不要でした(monchanは履かなかった)。 |
下山後、北温泉で一泊。コロナの影響でまだ食事付の宿泊は出来ませんが(素泊まり・自炊設備あり)、看板猫(まるちゃん・ももちゃん)にも会えたし、ちょっぴり湯治気分を味わうことができました。 |
(ルート状況)
峰ノ茶屋~朝日岳肩で①剣ヶ峰東面のトラバース(急な雪面)と②朝日岳肩手前のルンゼトラバース(短いミックス斜面)はコンディション次第では少し注意した方が良い気がします。なお、剣ヶ峰の通過は①の雪面トラバースを回避し雪の少ない尾根通しに登っている人の方がむしろ多かったです。 |
【行動時間(途中休憩を含み、写真・幕営・撤収時間を除く)】
(1日目)
大丸温泉~峰ノ茶屋~朝日岳肩~1900m峰~清水平~北湯分岐(幕営地)4時間25分
北湯分岐~三本槍岳往復:45分
(2日目)
北湯分岐~(中ノ大倉尾根)~中ノ大倉山(1462m)~北温泉2時間30分
車回収(北温泉~大丸温泉)大丸温泉までの車道歩き:40分
*北温泉旅館:チェックイン14:00からチェックアウト10:00 |
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ドンドコ沢ルート(南ア北部・鳳凰山地蔵岳)
偵察2(ベースキャンプ設置)/2023年1月初旬(幕営1泊2日)
写真山行(強風雪のため鳳凰小屋迄)/2023年1月上旬(幕営&冬期小屋2泊3日)
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近年は体力の衰えから15kg背負ってのラッセル山行は困難になっています。そこで、ドンドコ沢コースから地蔵岳(写真山行)にあたっては、まず、正月明けに、前回チェック済みの1800mの岩小舎にベースキャンプを設置し(食糧・燃料等を荷揚げ)、五色ノ滝までトレースを付けておき(準備山行・1泊2日)、翌週の成人の日を挟んだ3日間で写真山行という計画を立てました。 |
準備山行は、年末年始に1パーティー入山者があったようで、断続的ながら白糸の滝までトレースがあり、しかも昨年1月よりずっと雪が少なくて比較的楽でした。 |
写真山行の方は、ベースキャンプ方式の採用で荷物の面では楽だったものの、前週付けたトレースは風雪ですっかり消え、白糸の滝付近よりずっと膝下以上のラッセルとなりました。初日は寡雪とも相俟って11時前にはベースキャンプに到着。とは言え、鳳凰小屋まで前進するには遅すぎでした。 |
2日目(成人の日)はトレースが残っていた部分は順調だったものの、消えてから大幅にペースダウン。特に、五色ノ滝展望台以降は半分くらいの区間で股下くらいのラッセルで苦しめられました。この調子では小屋の到着が夕方になるのではと思い始めた頃、北御室小屋跡地手前から突然ワカンのトレースが現れ、鳳凰小屋には13時過ぎに到着することが出来ました(ベースキャンプより8時間)。因みに、この日は日中快晴で、御座石鉱泉からの入山者は日帰りできたようです。窓のない鳳凰小屋冬期小屋は真っ暗で寒いけれど、超重量級の布団が備え付けてあり、ベースキャンプにシュラフを置いてきたので助かりました(暖かくなるまで時間がかかるのでホッカイロ・湯たんぽ等必要)。なお、厳冬期は、小屋の中でも靴クランポン等を脱いでそのままにするとあっという間に凍るので対策が必要です。 |
夕方から降りだした雪は日付が変わって出発する時刻になっても止まず(40cm位積雪が増えた)、風も強いため、登頂は止めてもう一眠り。 皮肉にも、8時頃から天気が回復し、振り返るとオベリスクが「また来てね」と言っているようでした。 |
下りはじめは、またしてもラッセルとなったものの、降雪は局地的だったようで、北御室小屋跡地から尾根に上がると、往路のトレースが残っており、昼過ぎにはベースキャンプに到着。今シーズン再度トライするかは不明ですが、残置用のツエルトの中に荷物を一部デポして下山しました。 |
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ドンドコ沢ルート偵察1/厳冬期山行に備えてテープつけ
(南ア北部・鳳凰山地蔵岳・2022年12月上・日帰り |
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地蔵岳のドンドコ沢ルートは10数年前、青木鉱泉への林道が冬期閉鎖されるようになってから(ゲートから青木鉱泉まで往復2時間の林道歩きが追加)冬期は入山者が殆どなくなり、鳳凰小屋まで登るのが中々大変になっています。私たちは、昨年1月中旬に、時間切れ敗退しました(南精進ヶ滝展望台より上から股下のラッセルとなった)。その際、鳳凰の滝分岐~白糸の滝間が、近年のルート変更でルートファインディングが少し難しく感じたので、厳冬期の写真山行に備えてテープつけをすることにしました。 |
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年間山行概要 |
最新山行速報より前の山行概要はこちらで紹介しています。 |
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